列席者を代表して新郎新婦へ祝辞をのべる結婚式・披露宴で一番重要なスピーチ『主賓挨拶』
会社社長や役職者・学校の恩師など社会的立場のある方のご挨拶ですから「マナー」は知っていて当然。
そんな空気の中で失敗しないための『主賓挨拶』マニュアルを例文付きでまとめ。
目次
司会者からの「主賓紹介」で席を立って一礼
一般的には披露宴会場へ新郎新婦が入場し、仲人のご挨拶(もしくは新郎によるウエルカムスピーチ)と進み「主賓の祝辞」となります。司会者から主賓のご紹介があったら、席を立って列席の方々に向けて一礼します。
マイクの前で一礼したのち「自己紹介」
自己紹介では「どこの」「だれか」と「新郎新婦との関係」を簡潔に述べます。肩書きが会社の社長や代表取締役である場合は「会社名」「名前」のみを告げるのが一般的です。
- 文例
- ご紹介に預かりました新郎○○くんの勤めております株式会社××の□□と申します。
- Point1:カンペは極力使わず。最低でも「名前」は暗記
- 祝辞だけでなくスピーチ全般において「カンペ」は使わないのが一番です。
どうしても使う場合でも、冒頭の「自己紹介」と「新郎新婦への祝辞(名前の呼びかけ)」は最低でも暗記が必要。
名前さえ知らないのか?とこれから話す二人のエピソードに信憑性がなくなります。 - Point2:マイクは持って話した方が伝わります。
- マイクがスタンドから取り外せるならば、手に持ってスピーチします。
顔との距離で会話に強弱をつけたり、時には持ち手を替えて会話の切り替えPointにしたりすることでスピーチにリズムと人間味が出せます。
ワイヤレスタイプなら新郎新婦のもとへ歩み寄っての会話もおすすめです。
披露宴招待への「お礼」
結婚式・披露宴にご招待していただいたことへのお礼・感謝の意を表します。
- 文例
- 本日はこのような盛大な 結婚式ならびに披露宴にお招きいただき たいへん光栄に存じます
「僭越の意」をのべる
列席者を代表する「主賓」は、ゲストの中でもっとも社会的立場の高い人物にあたりますので
人生の先輩方もいる中で自身が代表することへの謙遜の念を込めてご挨拶します。
- 文例
- また 本日はたいへん高い席を頂き 諸先輩方がご列席の中 はなはだ僭越ではございますが
ご指名をいただきましたので ひとことお祝いの言葉を のべさせていただきます
- Point:年齢で言い回しを替えて
- 最近では若手企業家として成功し、30歳にして社長やCEOといった方も少なくありません。
もちろん「主賓」として祝辞を述べることにまったく問題はありませんが、
諸先輩を立てて「若輩者ではございますが」の一言を付け加えるケースが多いようです。
また、主賓が高齢の場合は「ご来賓の方々を差し置いて」などの言い回しも。
新郎新婦・ご両家・ご親族への「お祝いの言葉」
まずは新郎新婦それぞれの「名前」を呼びかけ結婚をお祝いする言葉を贈ります。続いてご両家とご親族の方々にも二人が今日の日を迎えられたことをお祝いします。
- 文例
- ○○くん □□さん ご結婚おめでとうございます
そして ご両家ならびにご親族のみなさま今日の良き日を迎えられたことを 心よりお祝い申し上げます
「ご着席」を促す
主賓がマイクの前に立ってから、新郎新婦とご両家の方々は席を立ってくださっていますので、このタイミングで着席いただくよう促します。
- 文例
- わたくしのスピーチは少し長くなりそうですので どうぞご着席ください
- Point
- 着席を促す際、新郎新婦とご両家に小声と手振りだけではバタバタとした素振りになってしまいあまり見栄えがよくありません。
「どうぞご着席ください」とはっきりした言葉で促しましょう。少しユーモアを入れて和やかにするとその後のスピーチも聴いてもらいやすくなります。
新郎新婦との「関係・エピソード」
自身との関係を交えながら新郎新婦の人柄や良さが伝わるエピソード話をするのがセオリーです。
上司と部下という関係からつい説教口調になってしまい、新郎の欠点部分に触れてしまわないよう注意しましょう。
- 文例
- 新郎○○くんとの出会いは… 彼のまじめな仕事ぶりは… 上司や先輩からも評価が高く… 今後はさらに上のポストを目指して…
- Point1:付き合いが短い・少ない関係なら当日の話題を
- 長い付き合いがある相手であれば思い出話ができますが、そうでない場合は当日の結婚式や披露宴の中から話のネタを作る方法も。少し知恵とセンスが必要ですがゲスト全員にわかる内容で盛り上がります。
※ふたりの感動的なキスシーン・楽しそうなウエルカムボードなど普段は見たことのない彼の一面を発見した など - Point:会社案内は短めに
- 新郎新婦を紹介する際に少なからず「会社案内」をすることになりますが、業績や業務内容など新郎とあまり関係のない話題はゲストにほとんど聞いてもらえません。
また、新郎新婦が同じ職場の場合、列席者も社員が多くついつい「朝礼」のようになってしまいますので気を付けましょう。
新郎新婦へ「はなむけの言葉」
古くから伝わる「ことわざ・名言・格言・四字熟語」などを引用した例え話や、自身の学んできた「人生訓」などをこれから新しい生活を始める新郎新婦に向けて人生の先輩としてのアドバイスを含めた「はなむけの言葉」を贈ります。
- 結婚式でよく使われる名言
- 「夫婦生活は、長い長い会話である」ニーチェ
「夫婦とは二つの半分になるのではなく、一つの全体になる事だ。」ゴッホ
「亭主関白とは – 関白に対する天皇のような関係を妻と築くため 夫は単なる補佐の役割である」 Wikipedia
「祝婚歌(しゅくこんか)」吉野弘
テーマはだれもが知っている名言や人物の言葉であるほうがゲストの興味をひきます。ただし、誰もが知っていない話を盛り込まないと心に響きません。
祝辞を締め括る「結びの言葉」
最後にもう一度、新郎新婦へお祝いの言葉を贈って主賓のご挨拶を締め括ります。
- 文例
- つたないご挨拶ではございましたが これをもちまして
おふたりへの お祝いの言葉とかえさせて頂きます
○○くん □□さん 本日は誠におめでとうございます
スピーチ時間は5分を目安に
ここまでの流れを約5分でまとめるのが理想的な主賓挨拶です。
5分より短すぎると「箔」がつきませんし、長すぎても会場の空気が重たくなります。
テンポの良い話のリズムと、間(緩急)をつけたスピーチで時間調整を図るのがコツです。