主賓祝辞とは
披露宴で一番はじめに、ゲストを代表して新郎新婦へ祝辞をいただくのが「主賓」となります。
通常は来賓いただいたゲストの中で、社会的地位(会社では役職など)のもっとも高い方が祝辞を述べるのが一般的です。
新郎新婦それぞれのゲストから主賓の祝辞をいただくのがベストですが、式の進行を早めるために進路側に「主賓祝辞」をお願いし、新婦側に「乾杯挨拶」をお願いするケースも増えています。
乾杯挨拶とは
主賓の祝辞に続いて、披露宴を始めるための『乾杯の発声』を主賓・準主賓にあたるゲストの方に行っていただきます。
乾杯前に簡単なご挨拶(本人紹介・新郎新婦へのお祝いの言葉・僭越の意など)をいただきます。
主賓・準主賓の選び方
会社(組織)に勤めている方であれば、多くの場合『職場の上司』にお願いすることとなります。
上司の方が複数人で出席していただける場合は役職・肩書きのもっとも高い方に、同じ役職であれば新郎新婦により近しい部署の上司にお願いするケースが一般的です。 場合によっては、直属の上司よりも新人の頃にお世話になった方や新郎新婦ともに面識のある方などにお願いすることもありますが、会社組織ですので今後の人間関係も含めて決めるのがコツです。
乾杯挨拶はこれから始まる披露宴のスタートを飾るものですので、声が通って明るいイメージの方にお願いするのがおすすめです。
主賓祝辞・乾杯挨拶の頼み方マナー・コツ
時期・タイミング
タイミングは結婚報告と同時もしくは招待状ができあがった際にお伝えするケースが多いようです。
祝辞や挨拶などスピーチを考えるのは時間がかかりますので、招待状は後日お渡しするものとして結婚式・披露宴の日取りが決まれば早めに依頼の旨を伝えるのがおすすめです。
期限としては遅くても招待状発送目安となる結婚式2ヶ月前までには依頼の意思を伝えましょう。
依頼方法
普段からお世話になっている上司の方ですので、直接会ってお願いするのがマナーです。
転勤や出張などの理由で直接お会いできない場合は電話でお願いすることもありますが、メールやSNSで依頼したり、連絡なしに直接、招待状に付箋を入れて送るなどは大変失礼なNGマナーです。
依頼内容
依頼の際には結婚報告も兼ねる場合がほとんどですので、
「結婚報告・結婚式の日取り・主賓として列席のお願い・主賓祝辞(乾杯挨拶)のお願い」
を含めた内容で結婚式・披露宴への列席をお願いします。
その際に
「披露宴のスタイル」「ゲストの人数」「順番」「持ち時間」「話題にして欲しい(欲しくない)こと」
など、スピーチに必要な情報もお伝えしておくのがベターです。
- 例文
- 私事で恐れ入りますが、このたび結婚することとなり、○月○日に□□で結婚式を挙げる予定です。つきましては日頃お世話になっている△△部長にぜひご列席していただきたく、また当日はご来賓を代表して御祝辞を頂戴いただけましたら幸いです。
招待状と付箋
招待状が準備できたら「主賓祝辞のお願い」を書いた付箋を一緒に同封してお渡しします。
主賓(上司)への招待状は「手渡し」するのが基本マナーです。
- 例文
- ご多用中 まことに恐れ入りますが
披露宴当日 主賓として御祝辞を賜りたく存じます
何卒よろしくお願い申し上げます
主賓へのお礼
お礼・お車代
主賓の方へのお礼は、新郎新婦のためにわざわざお越しいただくための交通費も兼ねて「御車代」をお渡しするのが一般的です。
金額・相場
主賓へのお礼の相場「1~3万円」となっています。
上司の役職(社長・部長・課長など)によって金額が変わりますが、1万円以下は失礼になります。
1万円をお渡ししたあとで、思いのほかご祝儀をいただいてしまった場合などは、後日手土産を持ってご挨拶に行ったり、新婚旅行のお土産で高価なものをお渡ししたりなどで対応するのが無難です。
渡し方・祝儀袋・表書き
1万円以上の「お礼」はご祝儀袋に入れてお渡しします。
ゲストからいただくご祝儀と同じで金額に応じてご祝儀袋のランクもあげます。 ご祝儀袋の金額は、ご祝儀金額の1%が目安とされています。※1万円以下はポチ袋
表書きには「御礼」とお呼びした新郎新婦の「名前(連名)」を筆書きで記入します。
お渡しするタイミングは受付終了後、依頼をした新郎新婦それぞれの両親から渡してもらいます。
結婚式・披露宴で主賓としてお呼びする上司の方は、今後も公私ともにお世話になる可能性の高いゲストです。
結婚して身を固める社会人として、失礼のないようマナーをしっかりチェックしておきましょう。